黒部市宇奈月町中谷地区。宇奈月温泉へ向かう途中、黒部川に架る赤い愛本橋を渡り雲雀野台地と呼ばれる山麓の高台にあります。

 白い壁と黒塗り垣板の重厚な納屋門をくぐると、どこか懐かしく、木々があふれる静寂の空間が広がっています。

 農村文化伝承館山本家の母屋は約230年前、江戸時代後期の中頃の様式の建築物で、納屋門は明治16年に完成しました。山本家はこの地域の旧家であり、先祖は豪農として、また肝煎りや村長、下新川郡会議員として集落の重要な役割を担ってきた家です。(※肝煎り:江戸時代の村や町の代表者)

 21畳敷きの茶の間には、ウシと呼ばれる梁の二重架構、簀子天井といった特徴、二つの神棚が備えられており、隣の囲炉裏部屋では今でも囲炉裏を囲んで暖を取ることができます。

 江戸時代から明治にかけて当時奇矯といわれた愛本刎橋を渡り、数多くの文人墨客が遊宿泊し、納屋門の板壁には幕末三舟の一人、勤皇家 山岡鉄舟が書いたと伝えられる墨書の大書の一部が今もなお残されています。

 200年に亘る時代の流れを眺め、かまどで炊いたご飯、囲炉裏で燃える優しい火、格子から差し込む優しい光、木々に囲まれた静寂な空間に佇んでみませんか?

 見学、日帰り、宿泊などご利用いただけます。